健康サポート薬局

私は薬剤師は気品があり、薬局というところは知的な職場かと思っていました。薬局を尊敬されない職場にしてしまった原因のひとつには薬剤師でない人も薬局経営ができるようにした制度にあると思います。

政府・日銀は紙幣をじゃぶじゃぶ市場に溢れさせています。紙幣は余っていて、需要と供給の上では、量的にはこれ以上必要ないというのにです。薬剤師も数的に余っていても、薬剤師の数は増加の一途です。数の増加とともに質は低下していきます。それでどうすると思いますか?

「健康サポート薬局」を標榜できる薬局を厚生労働省は推し進めようとしております。24時間患者さんに対応できること、月~金までは終日、そして土曜日、日曜日のいずれかにおいて半日は営業すること、等々いくつも要件があります。

同じことを医院に課して「健康サポート医院」と称するという制度を設けたとしましょう。これをクリアーできる医院があると思われますか?おそらく、そんな医院は一軒もないでしょう。また、そんな制度に対して、医師は黙っていないでしょう。自分たちの健康が守れないような制度を設けてどうして患者さんの健康をサポートできるのか?と。

厚生労働省は、過労死の問題などもあり、日本人の働き方は間違っている、時短をはかろうと言います。一方では、「健康サポート薬局」の薬剤師は24時間いつでも患者に対応できる体制をとりなさい、そういう薬局は「健康サポート薬局」を称することができ、地域医療に役立つ薬局として推奨しますとのことです。

私のように薬剤師一人でやっている小さな薬局はその要件を満たすことはきびしいと思います。

今の制度を推し進めていくと、新たに薬局を開設しようとすれば、1億円近い開業資金が必要となる時代になってきます。日本調剤社長の三津原氏は、「業界全体で半分くらいの薬局はなくなっていくだろう」と2016年11月9日に開催した2017年3月期第2四半期決算説明会で語ったと報じられています。

小さな一つの薬局にそれなりの役割をもたせる制度をつくることこそが求められるのではないでしょうか?

先進国において、日本は薬剤師の地位が低く、尊敬されていない。なぜこうなったかということを厚生労働省及び薬剤師会の指導的な立場にいる人たちは、今一度、反省してみるべきではないのでしょうか?

もっとも、そうさせてしまったのは、もとはといえば、私たち薬剤師なのかも知れませんが・・・.

     

     たしかな論理とみずみすしい感情をもたない人々が

     私たちの社会を支配しているかのようにみえる

              中村 稔 詩集「言葉について」より

 

私たち薬剤師一人ひとりの姿勢が問われていると思います。

 

 

2016年11月14日